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2001/12/21[第21号] Japan Dietetics Institute
【国民栄養調査】
 
先日、厚生労働省より2000年国民栄養調査の概要が発表されました。今回初めて個人の食事に対する意識を尋ねたというのですが、どうやらこの調査で男性の食事と健康に関する意識が改めて浮き彫りになってきたようです。

国民栄養調査
国民の健康状態、栄養素等栄養改善の方法や手段を講じる基礎資料を得ることを目的に厚生大臣が都道府県知事、政令市の市長、特別区の区長に委託して毎年実施する調査。身体状況、栄養摂取状況の調査が行なわれる。調査の対象は無作為で行われ、厚生大臣が調査地区を定め、知事が世帯を指定する。調査を依頼された世帯は協力する義務が課せられている。
 
平成9年度国民栄養調査の結果を見てみましょう。
各年代別で占める「過体重・肥満」と「やせ」の割合
 
男性
女性
年代
過体重・肥満
やせ
過体重・肥満
やせ
20〜29歳
22.6%
20.5%
7.6%
47.1%
30〜39歳
35.1%
11.3%
16%
30.7%
40〜49歳
37.8%
9.6%
26.7%
16.7%
50〜59歳
35.9%
9.9%
34%
12.5%
60〜69歳
37.6%
11.9%
38.9%
11.2%
70歳〜
25.1%
21.4%
34.7%
19%
 
このデータからわかることは女性は若い世代ではかなりやせている人が多いものの中年と呼ばれる頃から徐々に体重が標準を超えてしまう割合が高くなる傾向にあるようですが、男性の場合は特に「働きざかり」と呼ばれる年代が一番肥満の割合が高いものの、年代を追っていくと女性よりも若い世代から過体重・肥満者が多いことがわかります。20代でみてみると5人に1人は肥満だということが推察されます。

女性はBMIなどよりも「美容体重」を重視する傾向にあり、「スリム」であることを大変価値あることだと考えているようです。けれども男性はというと、女性ほど「体型」に関して無関心なのかもしれません。逆に太っていることで「割腹がいい」などと表現されることからもそういえるのかもしれません。

病院などで「少し体重を減らしましょう」というアドバイスを受けた場合、それを実行に移すことができる人とできない人の2タイプがあるとすれば、男性はどちらかというと後者のタイプが多いように思います。

それはやはり日々の仕事や生活で「そこまで気がまわらない」といったことが原因なのかもわかりません。

これがはっきりと浮き彫りとされたのが今回の栄養調査の結果です。
 
という今回の調査項目に対して20代〜40代の男性の調査結果は
YES・・と答えた人は約50%
(これに対して女性は20%も上回る74%)
 
という質問では
「特に意識していない」というのが37.7%でトップ
(女性は食物繊維、カルシウムが上位)
また「食事や栄養について「全く考えない」という人も女性よりも男性の方が多いという結果になりました。
 

別の調査では30〜40歳代の男性にはコレステロール値が高いなどの結果もでているのです。「楽しく食事がとれていない。」「栄養成分は特に気を使っていない」という状況が結果、生活習慣病を招く1つの要因になっているのかもしれません。
当研究所の会員の方も8割が女性で、男性の場合、配偶者の方が健康を気遣って入会されているというケースが多いように思います。
最近、休日にスーパーへ足を運ぶ男性が多くなっています。食品にふれる機会があるのですから、売り場の商品などを見て周るというのも良いかもしれません。そうすることで季節の旬を知り、食に対する見方も変わってくるということもあるでしょう。
 
自分の体は自分で管理するようにしたいものです。
まず自分にできる身近なところから心がけてみませんか?
(下の画像をクリックすると「第11回 食生活指針」を見ることができます。)
 
 
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