日本人でも胆石をもつ方は欧米並に増えています。 中でも多いのが「コレステロール胆石」です。

ビリルビン胆石(ビリルビンが主成分の胆石)・・・胆のうに多い
コレステロール胆石(コレステロールが主成分の胆石)・・・胆管に多い

ある日突然、腹部に激痛が走って病院に駆け込んだところ、「胆石」ができていたというケースはよくあります。しかし、会社の健康診断や人間ドック等で「胆石」があることがわかる、「サイ レントストーン」の方が大半を占めているのです。 戦後、食生活が欧米化し、コレステロール胆石の数が増えてきました。原因としては、第一に脂肪の摂りすぎがあげられ、今では生活習慣病の1つとして数えられています。
胆石とは、肝臓から分泌された胆汁の主成分であるコレステロール、ビリルビン、カルシウム、胆汁酸などのうち、コレステロールやビリルビンの量が増えたり、コレステロールを水に溶かす役割をもつ胆汁酸の能力が落ちることによって、胆のうや胆管に石ができるものです。
 
 
遺伝的要素もあるともいわれていますが、しいてあげるならばこういうタイプの方です。

 ・40才代以上
 ・男性よりも女性
 ・肥満傾向にある人
 ・油っこいものが好きな人
 ・大食いの人

上記のタイプにあてはまるような方が胆石になりやすい方と言えるでしょう。また、糖尿病の合併症として胆石になる方も多いといわれています。
 
激しく刺すような痛み(尖通)をおこし、胆のうが右上腹部にあるため肩・腕・背中 における痛みも起こる場合もあります。 その痛みの発作が起きた場合、長い人だと数時間もその痛みが止まないこともあり、 発熱・嘔吐・悪寒が伴います。 時に痛みの症状が治まらず胆のうが破れたり、腹膜炎をおこすこともあります。 こうなると、命にかかわってきますから、「胆石」を軽視してはいけません。 また、胆石が原因で膵炎をおこす場合もありますので注意しなければなりません。
 
「石」がある場合でも症状が無ければ放っておいてよいというわけではありません。 石を取り除く確実な方法は手術ですが、最近では開腹手術ではなく、衝撃波を あてたり、レーザーなどによる砕石や日帰りの手術もできるようになりました。 痛みがない「サイレントストーン」を保ったり、再発を防いだりできる一番のかぎは食事です。 食事のコントロールは自分でできる一番身近な治療ですから、少しずつ食事の内容を改善していくことが大切です。
 
1.バランスよい食事を心がける。
2.脂肪の少ない食品・食事を(特に動物性脂肪は考えて)。
3・食物繊維を積極的に(コレステロールを下げる効果があります)。
4.コレステロールの多い食品はなるべく抑えましょう。

あとは、適度な運動と休養です。
 
摂りたい食品・控えたい食品
【摂りたいもの】
食物繊維の多い食品
 ほうれん草、ブロッコリー、にんじん、かぼちゃ、
 小豆などの豆類(おから・豆腐・納豆)、海草、きのこ
 *できれば20g/日くらい摂り入れることをお勧めします。
 
【控えたい食品】
コレステロールの多い食品
 鶏卵、鶏肉手羽、レバー(鶏・豚・牛)、 うなぎの蒲焼、いくら、ししゃも、
 うずらの卵、たらこ、いか、たこ、バター、チーズ
 *注意:豆類の皮、イモ類のすじなどはガスが発生しやすいので控えましょう。
 
【油について】

同じカロリーならば選びましょう!
脂肪は、動物性脂肪(バター、ラードetc)と植物性脂肪(紅花オイル、オリーブオイルetc)の2つに大きくは分けられます。 脂質は1gあたり9kcalものエネルギーを発生させるものです。したがって、脂質を摂り過ぎるとエネルギー過剰につながります。
そこで、料理にはできるだけ良質の油を使うようにしてみましょう。 良質な油というのは、酸化(空気に触れることで品質が劣化すること)しにくいもののことで、お勧めしたいのはオリーブオイル、 ごま油、ぶどうの種から抽出されたグレープシードオイルなどです。 特売で容量の大きいサラダオイルなどを購入しがちですが、サラダ油は酸化しやすい油です。 健康の為には少量サイズのものを購入するようにして、開栓後は冷蔵庫などで保管するようにすることをお勧めします。

絶対ダメ!という食品はありません。あくまでも基本をおさえてバランスよい食事をこころがけましょう。
 
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