膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの代謝異常で起こる病気です。インスリンは血糖値を下げる作用があり、血糖値があがる糖尿病はその作用が弱まるためです。
タイプ的には2つあり、インスリン依存型と非依存型に分かれており、前タイプの発症原因はまだ詳しく分かりませんが 、後者は遺伝的要因と生活習慣が大きな因子と考えられています。
 
糖尿病治療の根幹は代謝をコントロールすることです。 その中で一番重要な維持の方法は食事療法と運動です。食事療法の目的は体内のインスリンの必要量を節減をはかることで代謝を正常化することです。 糖尿病は完治することではなく、あくまでも進行を食い止め、合併症を予防し、通常生活をおくれるようにすることが目的です。
 
1.なるべく1日の摂取エネルギーを必要最小限にする。
2.各栄養素のバランスをとる。(偏ってはダメ!)
3.塩分のとりすぎには注意し、効率のよい食品を選択する。
4.無理をしないで継続できる食事にする。
 
必要エネルギーは個人によって違います。あなたの日常生活に合わせたエネルギーを割り出してみましょう。
1日の労働量
必要熱量
入院患者
20〜25
軽労働者
25〜30
中等労働者
30〜35
重労働者
35〜40
(単位 : Kcal)
  左記の表から、自分の1日の労働量に当てはまるものを探しましょう。
必要エネルギーは以下の計算式で算出します。

総エネルギー=必要熱量×標準体重
  *必要熱量に幅があるのは個人の体型によって差をもたせているためです。肥満気味の方は大きい方の値を、痩せている方は少ない方の値を使うとよいでしょう。
標準体重と肥満度の算出
【ブローカー変法による算出】  
標準体重(kg)=(身長(cm)−100)×0.9
 *身長が150cm以下の人は0.9をかけなくてもよい。

肥満度(%)=(体重−標準体重)÷標準体重×100
 
肥満度
肥満
20%以上
過体重
+10〜20%
正常
±10%以内
体重減少
−10〜20%
やせ
−20%以下
【ブローカー変法による算出】  
肥満度=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))
 
肥満度
肥満
26.4以上
過体重
24〜26.4
標準
20〜24
やせ
20未満
 
1.1日3食規則正しい食生活を心がけましょう。
  (朝食はたっぷり、夕食は軽めに!)
2.日本糖尿病学会の「食品交換表」を使いましょう。
3.なれるまでは計量を習慣にしましょう。
4.動物性脂肪の食品は控えめに、味付けは薄くしましょう。
5.食物繊維をとりましょう。
  (食物繊維は血糖値降下作用があります。)
6.アルコールは控えましょう。

調理の要点として・・・
味付けはなるべく薄味にして、だしの旨みや酸味を利用することがおいしく食べることの基本です。
また、エネルギーの少ない海草、きのこ、こんにゃくなどをうまく取り入れることでボリュームを出すことができます。
 
糖尿病の食品交換表
日本糖尿病学会が作成しているもので、各種食品を4つに分類し、さらにそれを6つの表に分けてあるものです。
各種食品は80Kcalを1単位として、それぞれ食品を交換することができます。
エネルギー必要量を80Kcalで割ったものが、あなたの1日の摂取可能な単位数となります。
 
1日あたりの摂取エネルギーと単位配分の例
摂取エネルギー
(kcal → 単位)
表1
(単位)
表2
(単位)
表3
(単位)
表4
(単位)
表5
(単位)
表6
(単位)
付録
(単位)
1200kcal → 15単位
6
1
4
1.4
1
1
0.6
1440kcal → 18単位
8
1
4.5
1.4
1.5
1
0.6
1600kcal → 20単位
10
1
4.5
1.4
1.5
1
0.6
1800kcal → 22.5単位
12
1
5
1.4
2
1
0.6
2000kcal → 25単位
12
1.5
6
1.4
2
1.5
0.6
 
決められた範囲の中で朝、昼、夕と配分を考えて食事をとっていきましょう。
朝食は活動する前の食事であり、摂取したものがエネルギーとなりやすいのでたっぷりと。
夕食後は活動量が減るので、なるべく軽めに。
外食をするときもメニューに偏りのないように心がけましょう。
 
合併症があるときは
動脈硬化 : 油脂は植物性に
腎疾患 : 食塩は控えめに(味噌汁は避けて)
肝疾患 : 食塩制限を厳しく
慢性感染症  
 
ちょっと一工夫!
健康志向でスーパーにいくと色々なメーカーがたくさんの機能性食品をだしています。
そういったものをうまく取り入れて、より豊かな食生活になるように心がけましょう。
 
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