「秋」といえば四季の中でも「○○の秋」などと呼ばれることの多い季節ですよね。
「読書の秋」、「秋の夜長」そしてなんといっても「味覚の秋」と「食欲の秋」ははずせません。

今回の「これかん!レシピ」は”お月見”を題材に簡単にできるおもてなし料理を紹介いたします。
安くて手に入りやすい材料を使い、低カロリーな献立に仕上げています。

 
 
【食前酒】 菊花酒
 
 清酒 菊
 
菊花酒はお酒に菊花を浮かべて香りを楽しむという風流で優雅なものです。
これを飲むことで邪気を払うという意味もあるのです。
 
【先付】 豆乳胡麻豆腐 わさび
 
(2人分)
市販の豆乳 250cc
すりごま 30g
片栗粉 25g
だし汁 少々
塩 少々
(わさび 希釈(2倍)めんつゆ)

 
1.
火にかける前に鍋に片栗粉を入れ少しずつ、豆乳を加えて「だま」をつくらないように片栗粉を溶かしておく。
2.
1を中火にかけてすりごま、塩少々とだし汁少々を加える。
3.
弱火にしてだんだんと鍋の豆乳が固まってきたら様子をみて火をとめて、荒熱をとる。
4.
型に流しいれ、冷蔵庫で2時間ほど冷やし固め、固まったら器に盛り、わさびをのせ、希釈しためんつゆをかけていただく。


 
お料理ワンポイント!
すりごまがないときはごまをフードプロセッサーにかけて油がでる直前でとめてやると、ちょうどよいすりごまができます。
本来は吉野葛などを使って固めるのですが、今回は「片栗粉」を使ってみました。失敗なく寒天などで固めても面白いかもしれません。

 
【八寸】 ゆで卵、里芋のオレンジジュース煮 真イカのうに風味焼き
 
(2人分)
卵 1個
さつまいも
オレンジジュース
みりん
真イカ
うにの瓶詰め

 
1.
卵は固ゆでの茹で卵を作り、糸を使って上手に半分に切って、お皿に面する部分の白身を少し切って平らにし、黄身の上にごま塩をふる。
2.
さつまいもはたわしで洗い、レンジ2分ほどかけてから型抜きする。鍋にさつまいもをいれ、かぶる位のオレンジジュースをいれて煮崩れしないようにコトコトと煮て仕上げにみりんで照りをだす。
3.
真イカを火をいれたときに曲がるのを防ぐために包丁を斜めにいれておき、一口サイズに切る。
テフロン加工のフライパンでイカを焼きながら、ウニの瓶詰めを少量、酒と合わせたを刷毛で塗りながら焼く。

 
お料理ワンポイント!
真イカは生でもよいが、一夜干しを使うと調理しやすい。
 

 
【焼き物】 魚の柚香焼き おくら 栗の甘露煮
 
(2人分)
白身魚(鱸(すずき)) 2切れ
おくら 2本
栗の甘露煮 2個

 
1.
魚を醤油と柚の果皮をあわせたものをバットに入れ、魚をしばらく漬けておく。
2.
魚に刷毛で漬け汁を付けながらグリルで焼く。
3.
おくらは沸騰した湯に塩を入れ、さっと湯をくぐらす程度に茹でて2等分しておく。
4.
4:市販の栗の甘露煮を半分に包丁で割り盛り付ける。

 
【揚げ物】 豆腐の揚げ団子にんにく風味 すだち
 
(2人分)
木綿豆腐 1/2丁(200g)
人参 20g
干ししいたけ 2枚
にんにく
片栗粉 大さじ1
すだち 1個
塩・こしょう
濃口醤油

 
1.
木綿豆腐は重しをして水を切っておく。干ししいたけは水に戻しみじん切りにする。
2.
人参をレンジに1分程かけてから小さくみじん切りにして小皿に入れておく。
3.
木綿豆腐をつぶして人参・しいたけ・みじん切りにしたにんにく(チューブのにんにくでもOK!)卵、その他の材料を合わせてスプーンですくって180度くらいの油で揚げる。
4.
すだちを半分に切ってもりつけてできあがり。

 
お料理ワンポイント!
木綿豆腐をキッチンペーパーで包み、皿にいれてレンジで2分程度で水切りができます。
食べる際には天つゆや抹茶塩で召し上がるとよいでしょう。

 
【和え物】 ほうれん草の磯辺巻き
 
(2人分)
ほうれん草(今回は冷凍物を使用)
菊花 少々
焼き海苔 1/2枚
だし汁(濃口)

 
1.
ほうれん草は沸騰した湯でさっと湯通しする。菊花もさっと湯をくぐらしておく。
2.
出し汁と濃口を1:1の量であわせ、茹でたほうれん草にしばらく浸し、味をしみこませる。
3.
まきすに海苔を置き、軽くしぼったほうれん草をおいて菊花が中心にくるように巻く。
4.
形をくずさないように包丁で食べやすい大きさに切って盛り付ける。

 
お料理ワンポイント!
焼き海苔の変わりに薄焼き卵を使っても彩りよく仕上がります。
 

 
【飯物】 萩ごはん
 
(炊きやすい量)
米 2カップ
だし昆布 5センチ
清酒 大さじ1と1/2
塩 小さじ1
小豆 1/4カップ

 
1.
小豆を前の晩に水に浸しておき、鍋に水をはり小豆を煮る。煮立ったら一度、茹で水を捨て、更に新しい水を加え柔らかくなるまで煮て、最後ざるに打ち上げておく。
2.
米をとぎ、普通のご飯の容量の水に浸けておく(布巾で軽くふいた昆布に切り目をいれて一緒につけておく)。

3.
炊く直前に塩と酒を加え炊飯。
4.
炊き上がったら、1の小豆を散らしできあがり。

 
お料理ワンポイント!
枝豆をさやからさっとゆでで、中の豆をだして一緒に混ぜ合わせると彩がいっそうよくなるでしょう。
 

 
【水菓子】 梨
 

 
【お供え】 お団子
 
上新粉
水(またはぬるま湯)

 
1.
上新粉が耳たぶくらいの柔らかさになるように水を少しずつ加える。
2.
一度蒸し器に入れて10分ほど蒸し、その後よくこねる。
3.
団子を15等分して重ねていく。
   
  団子は十五夜の場合は15個、十三夜の場合は13個のお団子作ってお供えする土地が多いようです。

 
お料理ワンポイント!
お供えが終わったら、お団子を串にさし、醤油と砂糖と水溶き片栗粉でみたらし団子にして食べましょう。
※あんでからめる前に少しやいたら美味しさが増します。
 

 
お月見について
 
「仲秋の名月」ともいわれます。また、別名「芋名月」とも言われ、旧暦の8月15日にすすきを飾り月にお団子や季節の野菜などをお供えし、その後多くの人が分けあって月の神様の恩恵に預かるというのが「お月見」の風習のそもそもの意味なのです。
どちらかというと、五穀豊穣を神様に感謝するという意味合いが強い風習のように思います。

私が住む地方では「芋炊き」というイベントが秋に行われています。河原に集まり、大きな鍋に里芋をはじめとする根菜類やうどん鶏肉が入った鍋を皆で囲むという「お花見」の秋バージョンのようなものです。「里芋」をすすきのある河原で食べるというところが、何かしら 「お月見」の風習に似ていると思いませんか?
 
片見月はいけない!?
地方によって違うようですが、十五夜をしたら十三夜(旧暦の9月13日)も同じ場所でお月見をしないと「片見月」になるのでいけないと言い伝えられている地方もあるようです。
 
秋の七草知ってますか?
萩の花、尾花(すすき)、くず花、なでしこの花、おみなえし、ふじばかま、桔梗が秋の七草です。

お月見で飾ったすすきは家の軒先につるしたり、庭の木に巻き付けたり、庭にさしておくと無病息災でよいという言い伝えも地方によってはあるようです。
 
いつの間にか忍び寄ってくる秋・・・「秋の夜長」に月を鑑賞してのんびりくつろいではいかがでしょうか?